下がったお腹はお産も大変に。。。

お腹が下がることは妊娠中のトラブルの他に、お産のトラブルがあります。

お腹が下がる=子宮が下がる=赤ちゃんが下がる
という事でもあります。
赤ちゃんが下がると、赤ちゃんはママの骨盤に頭を入れている状態になります。
そのことで色々なトラブルが起こります。

下がったお腹は赤ちゃんの姿勢に影響



赤ちゃんの頭が骨盤の中に入っていると赤ちゃんは骨盤を通るための姿勢をとることができません。そのため骨盤をうまく取れずお産が長引いたり吸引分娩になったり帝王切開になったりします。
赤ちゃんが骨盤を通るときの姿勢とは、「顎を引いて」「背中全体を丸めている」姿勢です。
この姿勢をとり、頭の1番小さい部分を先頭にして、骨盤に入るので、骨盤というトンネルを抜けることができます。
この骨盤通過用の姿勢をとるためには、できれば妊娠37週くらいまでは骨盤に頭を入れずにいる必要があります。

お腹が下がって、早いうちから赤ちゃんが骨盤に頭を入れていると、骨盤通過用姿勢をとることができず、しかも、骨盤の中で成長し、頭が大きくなるので上にあがり、骨盤から抜けることもできず、身動きが取れなくなってしまいます。

その状態で陣痛が来たらどうなるかというと?
ママの骨盤をぐーっと押し広げて出てくるか、
ひかかって出て来れず、時間がかかったり、吸引分娩になったり、はたまた緊急帝王切開になったりします。
時に、ママの骨盤を広げすぎて、ママの骨盤が壊れ気味になることもあります。
骨盤を可動域以上に広げられたり、長いこと陣痛で苦しむママも大変ですし、
頭が引っかかり、ながいこと、陣痛でキューキューされて、吸引カップを頭につけられて、ひっぱり出される赤ちゃんも大変ですよね。

赤ちゃんが骨盤を通過するためには姿勢の他に骨盤に対する頭の向きも重要で、左右どちらの横向きだけです。
後ろ向き、前向きは無理…。
斜め後ろ向き、もしかしたら行けるかも?
斜め前向き、厳しい…。
と言う感じです。

骨盤に頭を入れていない赤ちゃんなら、向きを直すことができます。
でも、骨盤に頭が入ってしまったまま、成長して頭が大きくなってしまうと、向きを変えることができません。
骨盤の中で横向きで身動き取れなくなっていれば、まだいいのですが、それ以外だと…。

赤ちゃんが骨盤通るためには、陣痛が来る前から
赤ちゃんが骨盤通過用の姿勢をとって準備する
赤ちゃんが骨盤に対して、横向きになっていること。
が重要です。

そのためには頭が下がって骨盤に入っていないこと、赤ちゃんの頭が恥骨より上にあることが必要です。

下がったお腹の妊婦さんの実例

以前、骨盤周り痛みで歩くことができなくなった妊娠34週の妊婦さんいらっしゃいました。
やはり、お腹が下がり、赤ちゃんの頭がしっかり骨盤の中にありました。
赤ちゃんの頭が骨盤の中で大きくなり、骨盤を広げ、34週で痛みが出て、歩けなくなったという感じでした。
この方の痛みを取るためには、赤ちゃんの頭を骨盤から出してから、骨盤を適切なサイズに戻すことが必要でした。
このようにご本人に説明したところ、
せっかく赤ちゃんが下がってきているのに、上に上げることで生まれなくなるのでは?という不安を言われました。

私は

  • 34週は下がってきて良い時期でなく、フライングしていること。
  • 出産で赤ちゃんが骨盤を通るときは、骨盤を壊して通るわけではないこと。
  • もし、赤ちゃんを骨盤の上に出し、骨盤を適切なサイズに戻したら、赤ちゃんが通れなくなったとしたら、帝王切開をする必要がある骨盤だということ。

などを説明しました。

ご本人にご納得いただいてから、ケアさせていただきました。
幸い、一回目のケアで、骨盤から赤ちゃんの頭が出て、お腹が上に上がってくれました。お腹をさらしで支え、骨盤をベルトで支え生活することで、骨盤がその方の適切なサイズになり、痛みがなくなり普通に生活できるようになりました。

その方のお産は38週で、普通に出産されました。
実は、この方、ケアルームにいらした時、骨盤周りの痛みで動けなくなり入院していたのです。入院中に病院では、痛みが強いので、帝王切開にするしかないかも…。と言われていたそうです。

赤ちゃんの位置が重要性を感じた妊婦さんの1人でした。

お腹が下がっていることは一つも良いことがありません。
安全安楽なお産のためにも、妊娠中からお腹が上がっていることが大切です。

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