妊婦の理想的なお腹の形

最近マタニティーフォトが流行っていて、インスタグラムなどでもよく見かけます。でも、いいね!が押せるお腹がほぼないのが残念…。

妊婦さんのいいね!ができるお腹は?

前から見ても、横から見てもまんまる!
左右上下対称で偏りがない!
お腹が上がってまっすぐ前を向いている!

こう言うお腹のマタニティーフォトが残念ながらまだ見ていないです。

お腹の形でトラブル発見?

でも、なぜ、この見た目じゃないといいね!が押せないのか?実は、色々なトラブルが起こる可能性があるからなのです。

ケアルームに腰痛などをきっかけで来所される妊婦さんも、初診の時は
いいね!ができるお腹ではない場合がほとんどです。

  • 前から見ると横長、横から見るとしずく型
  • 左右どちらかに偏っていたり
  • 下に側に偏って
  • 下向き

これ、お腹=子宮が下がっている状態です。

子宮は下がると収縮して硬くなります。なので、寝ていると重力から解放されて、子宮が上がり、柔らかくなります。でも、立つとまた下がって硬くなります。

だから、お腹がみんな硬い! 
空気が入ったボールのように硬いお腹は張っている状態。

私がお腹の張りを指摘すると、驚かれ「え〜!?いつもこんな感じで、もっと硬くなる時があります」とおっしゃられます。お腹の張りとは、子宮の収縮=陣痛です。

この状態がいつもということは、常に子宮が収縮しているということで、時々さらに張っているということ。切迫早産や早産になってもおかしくない状態です。

妊婦さんはお腹は全体的におしりのようにやわやわ、プルプル、タプタプ。そして、赤ちゃんがところどころどころに硬いものとして触れるのが正解です。

絶対にお腹は触って張りを確認しましょう。

痛みを引き起こす原因にも

そして、下がっているお腹は骨盤に負荷をかけ、腰痛、恥骨痛などの骨盤周りの痛みを起こします。骨盤は3つのパーツに分かれています。それぞれのパーツは3つの関節で靭帯と筋肉に支えられて、骨盤の形を保っています。

がしかし、妊娠すると、ホルモンの影響で、靭帯の力が弱くなり、骨盤の関節を支える力が弱くなり、骨盤の関節が動きやすくになります。そこに、下がったお腹が乗っかって、来ると、関節が動きすぎて、痛みが出ます。これが、腰痛や恥骨痛です。

下がっているお腹はさらに、尿もれ・頻尿・便秘などを起こします。お腹が下がっていると、膀胱を圧迫し、お小水を少ししか溜めることができなくなるため、尿意を感じやすくなってしまいます。便秘も同じ様に腸が圧迫されて、腸蠕動が妨げらて便秘になりやすくなります。

骨盤の底の部分には骨盤底筋群という筋肉があり、そこには、尿道口、膣、肛門という3つの穴があります。骨盤底筋群はこの3つの穴のドアの役割をしています。例えば、

  • お便を力んだ時、便だけ出して、腸は出さない。
  • お産の時に赤ちゃんは出すけど、子宮は出さない。
  • お小水やお便を我慢する、止める。
  • 腹圧がかかった時に、小水を止める。

などが骨盤底筋群の働きです。

下がったお腹は、この骨盤底筋群にも負荷をかけ、動きを鈍くします。すると、尿もれ、痔、子宮脱、子宮下垂が起こりやすくなります。

つまり、下がったお腹は

  • 切迫早産・早産
  • 腰痛・恥骨痛・骨盤周りの痛み
  • 尿もれ・頻尿
  • 便秘・痔
  • 子宮脱・子宮下垂

などの前兆なので、私としては大丈夫かな…。という思いからいいね!ができないわけです。

妊婦さんは自分のお腹を、見て確認!触って確認!で、トラブルを予防して、本当のいいね!もらって欲しいです。

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